戸塚・泉・栄区の元気な企業紹介コンテンツ

「未来へのバトン」

 

Vol. 002 日本自働精機株式会社




2018年に創業60周年を迎えた日本自働精機株式会社は、梱包機のパイオニアとして数々の機械を世の中に送り出してきました。
今回は、3代目となる田中宏和代表取締役社長に、会社の歴史や想いなどについて語っていただきました。

父の創業した会社を2013年に引き継ぎました

「創業者は私の実父です。1954年に大田区北糀谷にある町工場の一角を借りて“田中製作所”を立ち上げたのが始まりで、当時は紙のラベル貼り機やタバコの包装機械を作っていました。
1958年に社名を日本自働精機株式会社に変更し、翌年戸塚に工場を建設しました。取引先は、製薬、電気、食品・飲料、諸工業と幅広く、国内外からも高い評価をいただいています。
若いころはこの会社に入るつもりはなく、外国で何かをしたくてトラックの運転手をしながら英会話の勉強をしていました。そのような中“いつかアメリカに行かせてやる”と父に言われて入社を決意したんです。入社後は28歳でノースカロライナ州シャーロットにある子会社の社長として10年間を過ごしました。現地スタッフの雇用から経理、備品の調達までやっていたので大変でしたが楽しくもありましたね。自宅に帰らないで会社に寝泊まりして、夜中に日本と連絡をとることもありました。
兄から引き継ぐ形で、2013年に日本自働精機株式会社の社長に就きました。父からは“他所をまねるのではなく自前のものを”“自分で考えろ”とよく言われてきましたが、今でもその考えはものづくりをする時の基本となっています」

完成した時のよろこびを楽しみに、日々取り組んでいます

「現在の社員は65名、アルバイトを含めると80名ほどです。オリジナル機械の開発は1プロジェクト3名ぐらいで組み、お客様のご希望条件のヒアリングに基づいて提案をするところからスタートします。中にはゼロベースから構築するプロジェクトもあるので、試行錯誤を繰り返すことも多いですね。納期まで2年ほどかかるもの、途中で企画自体なくなってしまうものなどもありますが、“新しいものを作る”ということに協力していくという姿勢は忘れないようにしています。長期案件は大変なことが目立ちますが、スタッフはみんなものづくりが大好きなので、完成した時もよろこびを味わうのを楽しみに日々頑張っています。
ただ、ロスばかり続いては会社の存続が危ぶまれてしまうので、3本柱としている“カートナー”“シュリンクラベラー”“電池ライン”といった製品は安定して受注できるようにしています」

取材当日は、工場見学もさせていただきました

日本自働精機株式会社で

取り扱っている商品の数々


熟成した戸塚の産業を広めていきたいです

「戸塚の街をずっとみてきましたが、だいぶ様子が変わってきたなと実感しています。駅前の再開発はもちろんですが、歴史の長い企業も増えてきたことで、産業自体も熟成してきたと思います。そういった意味でも戸塚の産業をもっと広く知ってもらいたいという気持ちが強くなってきました。
区内のものづくり企業の技術を、地域の皆さんにお披露目できる場である“戸塚ものづくり自慢展”へも第1回から参加させていただいており、次回6回目が開催される来年の2月に向けてすでに準備も進めています。
次のステップとして考えているのは、ベトナム、タイなどにチャンネルを作ることです。“良いものだけれど開発コストが高い”というのが懸念点だと感じていて、製造コストを抑える手段として取り入れたいなというのが理由のひとつでもあります」

地域の交通安全事故防止などに貢献。
社員に向けては業務に臨む際の“基本十ヶ条”を作成中

「社会貢献としては、“一般社団法人 神奈川県安全運転管理者会連合会”に入って、春・秋の全国交通安全運動などを活発に展開し、地域の交通安全事故防止に貢献しています。また、地元のラジオ局“エフエム戸塚”が主催している“スポーツゴミ拾い”というイベントにも企業単位で参加しています。
当社の採用基準は“ものづくりが好きかどうか”です。採用試験ではプラモデルを組み立ててもらったりしているんですよ。入社した社員に対しては、人に尽くすことが生きがいにもなるということをまずは伝えていきたいですね。それから、家族を大切にして家庭生活を充実させて欲しいというのも想いのひとつです。ベースである家庭がしっかりしていれば、仕事への意欲も自然とわいてくると思うんです。
現在、社員一人一人が仕事のやり方を把握しその方法に無駄はないかを認識するために、“基本十ヶ条”とういう条文を作成中です。出来上がったら社内に掲出して認知度を上げ、課題改善へとつなげられたらいいなと考えています」

田中宏和 代表取締役社長

 

休日の息抜きはペットの犬と戯れること。
幼稚園のことから犬が大好きでずっと飼っています。
鳥類も大好きでいろいろな種類を飼育してきました。

 


執筆:株式会社アドヤン 橋本 岳子

 

戸塚区矢部町出身。20年勤めた不動産情報サービスの会社を退職後、泉区にて広告代理店を開業。デザインや企画はもちろんのこと、編集や取材・文章作成も得意としている。不動産関連の執筆や取材は自ら行い、知識やトレンドを蓄積。初心者にも分かりやすい文章作成を心がけている。

 

横浜市工業会連合会 戸塚泉栄工業会 未来づくりプロジェクト実行委員。

 

【実績】大手ディベロッパー、東京都・川崎市・平塚市など自治体発行物の制作・編集。大手信託銀行系不動産仲介会社HP、電鉄系買取専門会社HP、不動産管理会社の定期発行新聞など連載記事多数。企業や団体、個人などのチラシ・パンフレット・名刺・Tシャツの作成実績もある。