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「未来へのバトン」

 

星崎 雅代 栄区長

星崎雅代栄区長
栄区のいたち川マスコット“タッチーくん”と星崎区長 (取材日:2020年3月16日)


横浜市の南部に位置する栄区は、1986年に戸塚区から分区して誕生しました。区の中ほどを東西に流れるいたち川、横浜自然観察の森、瀬上市民の森、上郷市民の森など自然豊かな環境を有する魅力的な区です。また、鎌倉市や藤沢市など相模湾に面した地域とも隣接しており、多様な文化や歴史を感じられる地でもあります。

今回は、14代目となる星崎雅代区長(経済局長/2020年4月~)に、栄区の魅力や地域活性化への想いなどをお話いただきました。

安全・安心のまちづくりの国際認証「セーフコミュニティ」

栄区は2018年にセーフコミュニティの再認証を取得しました。セーフコミュニティとは「致命的な事故やけがは、原因を究明することで予防できる」という考え方のもと、区民・関係団体・行政などが一体となって、安心・安全なまちづくりを、継続的に行っているまちに与えられる国際認証です。世界では、約400都市、日本では14都市(厚木市、さいたま市など)が認証されています。

2019年度セーフコミュニティフォーラムの様子
2019年度セーフコミュニティフォーラムの様子

栄区は、2013年に国内で7番目に認証されました。行政区では、栄区以外に認証を取得しているところはありません。栄区は自治会・町内会加入率が、81.6%(2019年4月1日現在)で、18区中1位であるほか、さまざまな地域活動が盛んです。そうした地域の力も活かして、地域ぐるみで安全・安心のまちづくりを進めています。

具体的には、「子どもの安全」「スポーツの安全」「交通安全」「児童虐待予防」「高齢者の安全」「災害対策」「自殺予防」「防犯」という8つの分科会を設置し、分野ごとの取り組みを進めています。工業会をはじめとした企業の皆さまにも、「こども110番の家」への登録や、認知症の方の見守り、災害時に備えた連携・協力、地域で行う会議やイベント等への会場提供など、さまざまな形でご協力をいただいており、心から感謝しています。

2018年の「セーフコミュニティアンケート」では、90%以上の区民の皆さまが、「栄区は安全・安心なまちだと感じる」とお答えいただいており、取り組みが実を結んでいることを大変うれしく感じました。引き続き、企業の皆さまにもご協力をいただきながら、安全安心のまちづくりを進めていきたいですね。

栄区の風水害対策の更なる強化に向けて

昨年秋には大型の台風が相次ぎ、栄区でも大きな被害が発生しました。これを踏まえ、区として行ったのが風水害に対する体制の見直しです。具体的には、概ね1000年に1度程度の降雨量の洪水による最大想定規模を基に、避難場所を変更するとともに、気象状況に併せて段階的に開設する避難所を選定しました。

また、隣接する鎌倉市域の大船駅周辺を含めた“栄区避難所マップ(風水害編)”を独自に作成し、全戸配布を行うことで、周知・啓発にも力を入れていきます。

さらに、自治会・町内会館等を活用し、地域の皆さまが自ら避難所を開設できるよう、地域(自主)避難所開設マニュアルを作成しました。台風等の風水害に対しても、区民・事業者・行政が一体となり、引き続き災害に強い栄区を目指していきます。

星崎雅代栄区長

栄の魅力向上 セカンドキャリア支援

栄区は、高齢化率が30.8%で、18区で最も高い一方、65歳以上の要介護認定率は15.84%と、18区で最も低く健康な高齢者が多い区です。健康長寿の3要素は、運動・栄養・社会参加と言われていますが、栄区では、文化・スポーツ・福祉、ボランティア活動など、さまざまな場面で、高齢者の皆さまが元気に活動しています。自治会や町内会の加入率も高く、イベント等へ積極的に参加されている姿も多く目にします。まさに“人生100年時代”の理想を実現されていて、大変うれしく思っています。

このような「人の魅力」が、栄区の数ある魅力の一つです。そこで中高年の皆さまに、これまでの知識・技術・経験を活かし、生きがいを感じていただけるよう、セカンドキャリア支援事業をスタートします。令和2年度は、ニーズや課題の把握を行う予定です。今後は、戸塚泉栄工業会の皆さまの「モノづくりからヒトづくりへ、そしてマチづくりへ」というコンセプトにも学ばせていただきながら、事業を進めていきたいと考えています。

商店街にぎわい創生

高齢化が進んでいる栄区にとって、身近な商店街は、日々の暮らしを支える大切な存在です。例えば、犬山町にある「新大船商店街」は加盟店舗数こそ、ひと桁ですが、地元の町内会の支援を得て定期的に朝市を開催するなど、地域に密着した商店街として愛されています。

また、本郷台駅前の商店会「けやきロード本郷台駅前商店会」と「本郷台駅前アーケード商店街」は、毎年9月上旬になると、協力して本郷台駅前祭りを開催しています。来場者は2日間で5万人を超え、駅前広場が多くの人で埋め尽くされるほどの大盛況です。夕方からは盆踊りが開催され、多くの皆さまが踊りの輪に加わり楽しい時間を過ごされています。令和2年度は、新たに区内の商店街ホームページを作成し、商店街の魅力を紹介して、さらなる発展を後押ししてまいります。

星崎雅代栄区長

25年ぶりの栄区 これからも「現場主義」を大切に

1992年から3年間、新任の係長として在籍していた栄区役所は、多くの想い出が詰まった場所でもあります。いたち川の周辺や庁舎の建物の佇まいなど、当時と変わらない景色を目にした瞬間、懐かしく温かい気持ちになりました。改めて、25年ぶりに区長として戻ることができ、大きな喜びを感じています。

以前から、区民の皆さまのお声を直接お聞きすることが何よりも重要だと感じていましたので、区長となった現在も「現場主義」を大事にしています。区民の皆さまと直接お会いすることで、「どんなことが問題なのか?」「何が必要なのか?」などが、明確に見えるようになります。これは、現場に行かなければ分からないことですね。かつて、経済局で商業振興課を所管していた時には、“現場1000回”をスローガンに掲げていました。これからも、その姿勢を大切にしていきたいと思っています。

「動」から「静」へ 休日は趣味の茶道でリラックス

区長として、多くの場所にお招きいただき、「動」の日々を過ごすことが多いので、休日は、「静」の時間を大切にしています。それが、趣味である茶道の時間をもつことです。鶴見区役所の地域振興課在職当時、鶴見区茶華道協会を担当したのがきっかけで始めました。気が付けば、もう30年になります。静寂な空間に身を置くことで、心も体もリラックスできるのが魅力です。また、旅先などで茶碗や茶器、お菓子など茶道にまつわる物を見るのも楽しみの一つですね。これからも長く続けたいと思っています。

「こうなったらいいな」を若い感性で実現できるような区に

栄区は高台に戸建て住宅が建ち並び、多くの高齢者の皆さまが暮らしています。今後は、そのエリアに若い方が住み、高齢者をはじめ区民の方々と交流を深めていただけたらうれしいですね。丘の上に建つ住宅地は眺望も良く、美しい富士山を望める場所もあるのでおすすめです。

また、若い方の柔軟な発想力や、独自の感性にも期待をしています。例えば何か問題に直面した際、若い人ならではの視点から、思わぬ解決策を見いだせる事があるかも知れません。これからの未来を担う皆さまには、そんな若いパワーを活かしていただきたいですね。自由な感性で「栄区がこんな風になったらいいな」という想いが形になるように、私たちも力を注いでまいります。

戸塚泉栄工業会地域活性化情報交換会について

令和2年度には、栄区で地域活性化情報交換会の開催を予定しています。栄区としましても、区内の事業所に参加を呼びかけ、工業会の発展に寄与できるよう取り組んでまいります。会員の皆さまの栄区へのお越しを心よりお待ちしています。

栄区のホームページはこちら
http://www.city.yokohama.lg.jp/sakae/


取材・文/小林 真由美

東京都出身。

横浜市戸塚区、藤沢市片瀬海岸へと移り住み、現在は横浜市中区在住。

編集プロダクション、出版社勤務を経て2005年よりフリーライターに。現在は、情報系WEBメディアのほか、横浜や湘南の地域WEBメディアにて、企業のトップや店長、クリエイター、専門家など、さまざまな職種の方へのインタビュー記事を担当。

9歳~16歳まで住んだ戸塚区には思い出が多く、今でも時折 “柏尾川沿いの風景”に癒されている。