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「未来へのバトン」

 

Vol. 006 オフィス田中




コンサルティング、講演、セミナー、著作を4本柱として業務に取り組まれている、オフィス田中の田中満佐人代表にお話をお伺いしました。

 

北海道出身。工学部造船工学科へ進学し造船会社、外資系会社を数社経験。MBA取得後米国で就職するなどしたのちに独立

 「北海道の中心部にある十勝岳のふもとにある上富良野(かみふらの)という町で生まれ育ちました。

大学は工学部造船工学科へ進学。卒業後は石川島播磨重工業株式会社(現、株式会社IHI)に入社し、横浜にある技術研究所に配属されました。

少し専門的な話になりますが、『巨大船の操縦性』が研究対象で、流体力学と制御工学が専門分野です。そこに8年半在職してから外資系半導体メーカーに転職。最初に担当したのは半導体の製品企画ですが、最後はTQC推進室長として大分県にあった日出工場のデミング賞受賞を本社から支援をしました。その後、M&M’sチョコレートやカルカンなどのペットフードで有名なマース社の国際購買本部に移りました。42歳の時には、パデュー大学クラナート校経営大学院に入学するために退社。MBA取得後は米国の特殊ガラスメーカーである米コーニング社本社に入社し、日本法人に異動しました。

5年後、封入封緘機のトップメーカーである日本ベルハウエル社に移り、代表取締役社長などを経験しました。

54歳の時に、米国本社の組織改編により日本法人も影響を受けました。その時米国本社、国際本部、日本にいる私の3者が国際電話での会議を何度も持ちました。組織改編にめどがついたときに、自分なりに達成感がありましたので、独立する気持ちになりました。

そして200355歳の時にオフィス田中を立ち上げ、現在に至っています」

独立してよかったのは、自由度が増えてこと・部下がいないことで気軽に取り組めること

「独立した際に、従事していた業界からは離れて自分を試してみたいと考えました。そのような中、とある中小企業の社長さんと知り合いになりました。私の経歴をお話ししたところ、興味を持っていただきました。すぐに月2回のコンサルティングと研修を混合した仕事を依頼していただき、順調なスタートを切ることができました。

独立して2年後には兼任で大学教授を5年間、その1年後に始めた別の大学の非常勤講師を現在まで13年間務めております。担当分野は人材開発と経営関連です。独立してよかったのは、自由度が増えたことや部下がいないことで気楽に取り組めることです。顧客との関係では気を使いますが、企業勤務時代に比べるとストレスのかかりかたがまったく違います」

 

解説者でなくお客様といっしょに結果を作り出していくのがモットー

「『技術のわかる経営コンサルタント』として、解説者でなくお客様といっしょに結果を作り出しています。

個人事務所ですので、できることには限りがあります。よって、お客様と一緒に考え、お互いに知恵を絞って課題に取り組むようにしています。一緒に取り組むことで、固有の課題が見えてきます。実は課題の多くは、お客様がうっすらと気づいている場合があります。私は課題がより明確に見えてくるようお手伝いをしているというわけです。事前の打ち合わせを丁寧に行って取り組む課題が明確になったら、次にその解決策を一緒に考えていきます。こういった協働活動を通じて、顧客企業やそこで働く従業員の実力がついてくると考えています。

大手のコンサルティング会社がやるように、コンサルタントが考えたアイデアを一方的に伝えるだけでは、顧客は問題点や課題を自分で考える機会を失ってしまいます。そこが大きな違いだと思います」

85歳まで現役50歳代のころに決意し、それを意識しながら行動

「オフィス田中をたちあげてから15年が経過しました。今後は、まったく別の分野に挑戦したいと思っており、準備を進めているところです。“85歳まで現役”と50歳代のころに決め、それを意識して行動してきました。これからは体力を考えながら、世の中にお役に立てることを続けていきます。

また、多くの企業を見てきましたが、社長職を次の人に渡したあとに会社に居座り続ける前社長の存在ほど、次世代の経営者にとって迷惑なことはありません。私は個人事業であり、承継者はおりませんが、社会にとってまた若い人にとって邪魔にならない存在でいたいと思っています。

業務を進める上では、迅速性も大切にしています。勤務していたマース社では、問い合わせを受けたら24時間以内に必ず返事をするという規則がありました。海外出張中でもそれを守ることが要求されて大変でしたが、この考えは今でも大切だと考えています」

 

会合などにはただ参加するだけではなく、長期的な視野で自分が何を与えることができるのかをまず考えたいです

「最初に勤務した石川島播磨重工業(現IHI)の研究所に在籍していた人の集まり(水槽OB会*)が2年に一度あるので参加しています。また、ファイナンシャルプランナーの資格を20年ほど前に取得し、勉強会には今でも時間を作って出席しているんです。

日本機械学会、日本船舶海洋工学会に今でも所属しています。また経営の分野では日本経営工学会、日本経営システム学会、プロジェクトマネジメント学会の会員です。

趣味の一つが英語ですので、日本メディア英語学会にも所属しており、現在も新語をみつけて発表をしています。

このような会合やコミュニティにはただ参加するのではなく、長期的な視野で自分が何を与えることができるのかをまず考えています。目先の利益だけを考えず、人との交流でえられるものを大切にしていきたいですね」

 

(*注) 研究所には長さ210メートル、幅10メートルの水槽があり、模型船(長さ7メートル程度)を用いた実験・計測を行っていました。ほかにも長さ70m、幅30m の水槽もありました。この水槽が研究所のシンボルです。


田中満佐人 代表

アマチュア無線を始めましたので、さらに上級資格に挑戦したいと思います。所属しております戸塚アマチュア無線クラブでの活動に積極的に参加していきたいです。趣味の英語では海外メディアから毎日届くニュースを楽しんでいます。

 

 

 「カナダのトルドー首相は昨年のダボス会議で“今ほど変化のペースが速い時代は過去になかった。だが今後、今ほど変化が遅い時代は二度と来ないだろう”と発言しました。

これから世の中はますます変化しつづけるでしょう。変化を察知し、対応できる、変化に強い人になって欲しい。そのためのお手伝いをします」と若者へメッセージをいただきました。

 


執筆:株式会社アドヤン 橋本 岳子

 

戸塚区矢部町出身。20年勤めた不動産情報サービスの会社を退職後、泉区にて広告代理店を開業し現在は中区に移転。デザインや企画はもちろんのこと、編集や取材・文章作成も得意としている。不動産関連の執筆や取材は自ら行い、知識やトレンドを蓄積。初心者にも分かりやすい文章作成を心がけている。

 

横浜市工業会連合会 戸塚泉栄工業会 未来づくりプロジェクト実行委員。

 

【実績】大手ディベロッパー、東京都・横浜市・川崎市・平塚市など自治体発行物の制作・編集。みずほ不動産販売株式会社HP、みずほ銀行・みずほ証券会員向けメールマガジン、電鉄系買取専門会社HP、不動産管理会社の定期発行新聞など連載記事多数。企業や団体、個人などのチラシ・パンフレット・名刺・Tシャツの作成実績もある。