「未来へのバトン」
板金業界のトータルプランナーとして、プレスブレーキ金型を中心に設計からメンテナンスまで提供している有限会社工研。
今回は、業務内容やものづくりに対する姿勢について、加藤高智代表取締役にお話をお伺いしました。
6~8mの金属を作るための金型製作を得意としています
「一枚の鉄の板を曲げるための金型を設計・製作しています。通常、835L・415L・835L/分割を標準として、スタンダード金型が販売されていますが、摩擦などにより分割キズがついてはいけない製品などには、1本物の金型がとても有効となります。弊社は、6~8mの金属を作るための金型製作を得意としており、多くのお客様から好評をいただいております。具体的に使われるのはトラック、電車、ガードレール、オフィス家具、ロッカー、引き出しなどです」
ものづくりもサービス業の精神を
「高度成長期は、量産することが急務とされていたので、既存の図面通りに進めることが当たり前でした。カスタマイズやオリジナルというのはまずありませんでしたね。でも、今はものづくりもサービス業の精神をもっていないといけません。おもてなしの心は大切だと思いますし、いかに顧客満足度を上げて喜んでいただけるかというのは、事業を継続していく上では重要なポイントです。そのためには、ご要望にどれだけ応えられるかだけでなく、“かゆいところに手が届く”という点も追求しなくてはいけないと考えています。例えば、依頼していただいた業務の進捗をお伝えしたり。梱包方法・発送日をお伝えするなどでしょうか。今、残っている会社はこういった“付加価値”に重きをおいて取り組んでいると思います。そこが、他社との差別化にもなり顧客満足度のアップにつながるのではないでしょうか」
代表取締役に就任後、まずしたことは社員に対して“お願いすること”
「20歳の時に父が亡くなりました。当時私は中国に留学していましたが、急遽帰国し家業を手伝うことになったんです。そして2011年に代表取締役に就任し、今日に至ります。年上で社歴の長い社員が多かったのですが、若い私にもついてきてもらわないと会社がまわらなくなります。そこでまずしたことは社員に対して“お願いすること”です。「ぼくが責任持つのでお願いします」といって動いてもらいました。でも、自分の一方通行になっては社員が窮屈に感じてしまいます。社員が幸せになってほしいという思いがあったので、違うと思ったところは伝えてほしいとも話しました。
今は若い世代が中心となって会社がまわっています。製造業では技術の伝承は難しいというのが課題になりますが、ベテラン社員は“教える”ということを考えて指導してくれています。経験をふまえたアドバイスをしてくれるので、社のオリジナル技術が脈々と受け継がれていますね。実は、月1回みんなで昼食をとりながらコミュニケーションをとる機会を設けているんです。その雰囲気のままミーティングをすることで、活発な意見交換ができるようになっています。“同じ釜の飯を食う”という言葉がありますが、この昼食の取り組みをきかっけに、風通しがよくなったと実感しています」
東日本で1番になることが目標。顧客満足度をアップさせるために、さまざまな取り組みに尽力
「この業界の市場規模は意外と小さく、日本全国で20社しかありません。広島県にシェア率の高い会社があるのですが、東日本では弊社が1番になりたいですね。機械メーカーはもっと伸びる業界なので、ひと花ふた花咲かせるのが目標です。
事業を継続させるために、代表取締役就任後『お客様の「喜び」を創造し貢献する企業であり続ける』という経営理念を掲げました。IT化が進む時代ですからWEBサイトにも力を入れています。問い合わせが約15~20件のうち受注は3~4件。サイトを更新すると問い合わせが入るようです。
図面には担当者氏名を明記しているのも、顧客満足度をアップするための取り組みのひとつです。責任感が生まれ、ひとつひとつの作業が丁寧になっていく・・・いい製品が納品されるので、リピーターにもつながるようになると思っています」
工業会と積極的にかかわり、受注の幅を広げていきたいです
「工業会とのつながりを大切にしています。他業種から学ぶことも多く、事業を進めていく上で参考にさせていただいています。積極的に参加したり話を聞いたりしてアイデアにつなげ、受注の幅を広げていきたいです。
“人づくり”について偉そうなことはいえませんが、いかに人と人とをつなぎ合わせるかは考えています。若い社員はまず営業。お客様に怒られて自ら気が付いてもらいたいという思いです。相手を思いやる気持ちも大切にして、社員同士もよい関係を築いてほしいですね」
加藤高智 代表取締役
「休日は妻と買い物に行っています。
海が好きで、スキューバダイビングや釣りを楽しむこともありますね。
ストレス発散は料理をすることです。」
「妄想でも、ゲームでも遊びでもなんでもいいので、夢を持ってもらいたいと思っています。夢に向かって突き進んで深く追求して欲しいです。それから簡単に“できない”というのはよくありません。迷ったら前に一歩踏み出すことを怒れてはいけないと思います」と若者へメッセージを送っていただきました。 |
戸塚区矢部町出身。20年勤めた不動産情報サービスの会社を退職後、泉区にて広告代理店を開業し現在は中区に移転。デザインや企画はもちろんのこと、編集や取材・文章作成も得意としている。不動産関連の執筆や取材は自ら行い、知識やトレンドを蓄積。初心者にも分かりやすい文章作成を心がけている。
横浜市工業会連合会 戸塚泉栄工業会 未来づくりプロジェクト実行委員。
【実績】大手ディベロッパー、東京都・横浜市・川崎市・平塚市など自治体発行物の制作・編集。みずほ不動産販売株式会社HP、みずほ銀行・みずほ証券会員向けメールマガジン、電鉄系買取専門会社HP、不動産管理会社の定期発行新聞など連載記事多数。企業や団体、個人などのチラシ・パンフレット・名刺・Tシャツの作成実績もある。
事務局長 宮下 充
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